そのエドワードの粘り強さに負けた俺は、少しだけエドワードの話しに付き合ってやる事にした。



『あ?…“可笑しい”って何が?』



すると、自慢げにエドワードがジャンヌダルクについて語り始めた。



『だってさぁこのジャンヌ・ダルクって“神の声”を聞いたって言うじゃん』


『そんなの“デマ”だろ?“デ・マ”』


『しかも、神の声に従って数々の闘いに打ち勝って来たんだぜ?』


『普通、出来るか?“ただの十代の女の子”に?』


『さぁな〜出来る奴が一人や二人居ても可笑しくは無ぇだろ?俺みたいに』



俺はエドワードの言う言葉に何も考えずに返しただけだった…


しかし。



『今、お前も認めたな』


エドワードが嬉しそうな顔で言った。



『は?…“認めた”って何を?…』


『今、自分で言ってたじゃ無いかよ“俺みたいに”って』


『それって、ここに載ってるジャンヌとお前の“共通点”を認めたって事だろ』


(ハメられた…)



俺はそう思った。


すると、“ずにのった”エドワードの話しは、とめどなく続いた。



『それにさぁ“魔女”とも言われてたんだろ?』


『だからこのジャンヌは異端裁判に掛けられて殺されたんだろ?』


『だから、もし今のお前がこの時代のフランスに行って“魔法化学”を使ったらどうなると思う?』


『きっと、14世紀のフランスで“魔法化学”を使ったら“本物の魔法”だと思われるんじゃないか』


『あのなぁ、この時代の“魔女狩り”ってぇのは、実際“魔女じゃ無くても”魔女裁判に掛けられるんだよ』