お父さんが部屋に戻るのを確認して、ため息をつくと電話がかかってきた。


「もしもし」


《あ、南。明日なんだけど…夜、海に行かない?》


「え、あ…はい」


吉田先生からの電話だった。

いつ、チョコあげようかな。海行くときにでもあげるか。


《じゃ、またね》


「はい、では」


しばらく、冷蔵庫の寄りかかって明日のことを考えていた。


お父さんが扉の隙間から覗いていたことに気づけないほど…