昼休みになり、あたしと桜子は屋上に行きメロンパンをかじっていた。
綺麗な青空があたし達を見下ろしていた。
「それにしてもいいなぁ虹歌」
「へ?何のこと?」
そういいながらオレンジジュースの紙パックを片手に持ちごくごくと飲みだす。
「だって悠佳様には名前覚えて貰えるし昂大様とはしゃべったし棗様には頭をぽんって叩いてもらってたじゃん!」
「そんなのあたしは興味ないよ!あの3人は苦手だし」
そう言ってオレンジジュースを床に置く。
「でもさぁ、あの3人に気に入られたらご指名入るよ?」
「ご指名?」
ご指名ってあたしはホステスか!!
「そう、毎日放課後に生徒会室で3人と過ごすんだって!!今はいないらしいよ」
「何でいないの?」
「それは悠佳様の恋人が最初、ご指名だったんだけど留学して3年も会ってないって。今でも悠佳様はその恋人を待ってるって言う噂だよ」
ふーん。
悠佳さんは意外と一途なんだ。
見た目は二股なんかじゃおさまらないって感じなのに。
「てか虹歌は夜嘉<ヤヨイ>君とどうなったの?」
そういいながら桜子は身を乗り出して聞いてくる。
てか何もなってないし…
「何もなってないよ?」
「え〜!だって虹歌、前に1年で1番のイケメンの夜嘉君に告られてたじゃん!あたしてっきり付き合ったのかと…」
そう、あたしは夜嘉君に放課後呼び出されて告られた。
でもあたしは興味ないと言って断ったけど何かしつこく今だにあたしの事が好きらしい。
はぁ……。
「まぁ虹歌は理想高いもんね?だって虹歌はブラコンだもんね?」
そう言いながらニヤニヤする桜子。
そうなんだよね……。
あたし、家は美袋組してるしそれにブラコンなんだよね……。