「どうしたの虹歌?」
桜子があたしの顔を覗いてくる。
「あ、ゴメン!何もない」
「ならいいけど。1限目は移動だよ!行こっ」
桜子はあたしの手をぎゅっと握り引っ張り歩く。
廊下は蒸し暑く歩くのも嫌になる。
「あっついねー!あ、虹歌見てっ!!」
怠そうに歩いていた桜子の目が輝く。
あたしは桜子の見ている方に目線を向けるとそこには3人が歩いてきた。
「あれ、悠佳様と昂大様と棗様だぁ♪カッコイィ♪」
そう、桜子が言っている人達はあたし達より4歳上の人で同じ学校に通う。
え?
何で4歳上の人がいるかって?
それは本来なら高3で卒業だけどあたしのところはごく一部の人だけ特別なクラスになり3年で終わるところを6年で終わる。
歴史上このクラスになった人は3人しかいない。
それが紅悠佳さんと二木昂大さん花坂棗さん。
全員20歳でうちの学校で4年生なんだ。
3人ともすごくかっこよくて憧れの人。
あたしは興味はないけれど。