「照れる千咲も可愛い」


そう言うので亮汰の顔を見ると
意地悪に笑っていた。


「…ばか。」


一言だけ言うと、亮汰はゆっくりと
私を離して額に軽くキスをした。


「なっ?!」


あたしは「何するの」と言おうとしたんだけど
亮汰があまりに優しく笑うので
何も言い返せなくなった。


「よし、準備出来たなら行くぞ。」


「う、うん。」


亮汰が左手を差し出す。

あたしはその左手を握る。


2人で玄関へと向かった。


そこには、スーツ姿の光汰、
制服姿の悠斗と龍斗が待っていた。