「みんなおはよ。」


あたしはみんなに挨拶をして
自分がいつも座る椅子に座って
朝食が出来るのを待った。


「てか、何か今日みんな起きるの早くない?」


いつもは、
あたしより全然遅く起きてくる兄弟達。

そしてそれをあたしが起こしている。


…なのに、何で今日早く起きているのか
わからなかった。


「なーに言ってんだよテメエは!
 今日は千咲の高校の入学式だろ?
 忙しい行事の時くらい自分で起きるっつーの。」


亮汰があたしの頭を撫でて言った。

「…別に忙しくないけどね。」

あたしは誰にも聞こえないように呟いた。

素直に「ありがとう」と言えない私は
誰に似たのだろうか。


「ほら、朝飯出来た。早く食べなよ。」