玲が走り去るのを見ていると、

「ちさ、良かったのか?」


光汰がちょっと心配そうに聞いてきた。


「え、何が?」


あたしは光汰が言ってる意味もわからず聞き返す。


「だって、友達だろ?もっと話さなくてよかったのか?」


「大丈夫だよ。それに、光汰顔引きつってたし。」



あたしが答えると
光汰は少し驚いたような顔をした。


・・・あたし何か変なこと言ったかな?


難しい顔をして考えるあたしの頭を
光汰が撫でながら、


「ありがと、ちさ。でもそんなの気にしなくていいから。話したいなら話していいんだからな。」


そう言って微笑む。



いやいやいや。

大好きな兄弟があんな顔してて
普通に話せるわけないし。


さっきの対応が正しいんですよ、光汰さん。



てか、光汰は遠慮しすぎなんだよ。

簡単に言えば草食系男子?

もっとがっつけばいいのに。



そんなことを考えていたら、
もう校舎の外だった。