あたしは「うん。」って
ちょっと可愛い子ぶって頷いた。


「ちょっと~千咲!その人誰?!」

うわ、吃驚した・・・。

いきなり叫ばないで下さい、玲さん。


それに・・・その人誰って、
身内だよ身内。

身内じゃない人は連れてこないよね、うん。


心の中で愚痴っていた。


「千咲ってば~」


「ん、あ、ごめん。この人はあたしの兄。」


冷静に答える。


「え、お兄さま?!」

お兄さまって・・・。

あたしの兄はそんなに偉くないぞ。


「うん、そう、お兄さま。」


自分でお兄さまって言って
何か恥ずかしかった。


光汰をチラっと見ると、
苦笑いしていた。


「ごめん、玲。そろそろ帰るね。」


玲に謝る。


「おっけ!じゃあまた明日ね!」

そう言い残して玲はどこかに
去っていった。


忙しい人・・・。