奇跡的にあたし達は同じクラスだった。


教室へ向かう途中、いろんな人が
チラチラこっちを見てきた。


それもそうだろう。
ここら辺で理央を知らない人はいないと思うから。


理央は喧嘩好きなので気に入らない相手がいると男だろうが女だろうが構わずに喧嘩を売る。



まあ簡単に言えば、理央は怖がられてるっていうこと。



「千咲、着いた着いた!」


理央は声を張り上げて言った。


2人で教室に入ると、
教室にいた人達が一瞬こっちを見る。


何人かは「うわ…」というような顔をしているけど、
他の人達は構わずに話し続ける。


あたしと理央は名字が近いため、
席が前後だった。



席に着くなり、理央は「寝る」と言って
机に顔をうつ伏せた。


あたしは少し呆れながらも前を向き、
携帯をいじっていた。



すると前に座っていた人が
いきなり後ろを向いてきた。


「はじめまして!」