ピピピピピピピ…

「ああ~もう。うっさい…」

鳴り続ける目覚ましを止めて体を起こす。
まだ眠気が飛ばず頭はぼーっとしたまま。

するとあたしの部屋のドアがゆっくり開く。

「あ、ちさ。起きてたのか?丁度起こしに来ようとしてた所。」

そこにいたのはあたしの兄、坂本光汰。
思わず見とれてしまうくらい綺麗な顔。
整った茶色い髪の毛。
世間ではこういうのを“王子様”というのだろう。

光汰はあたしの頭に手を乗せ「おはよう」と言って微笑む。

「朝飯あるから1階においで。」

そう言い部屋から出ていく。


まだ重い瞼をこすりながら階段を下りる。

リビングへ向かうと、いつもはまだ寝てる姿がそこにあった。