「「いただきまーす」」


二人の声がリビングに響く。


「乙女、学校は楽しい?」


「うん!」


「そっか!なら良かった。」


お姉ちゃんはにっこり笑って味噌汁をすすった。


「あっねぇお姉ちゃん?」


「ん?」


「中倉先輩知ってる?」


「あぁ。中倉くんね。
野球部の。」


野球部なんだ。


「中倉くんがどうしたの?」


「いや、今日
頭についた桜とってもらって。」


「へぇ。
お姉ちゃん中倉くんと同じくらすだよ。」


「そうなんだ。」

私は制服のポケットを見つめた。


あの花びら鏡に挟んだまんまだ。 


「中倉先輩って彼女とかいるのかな?」


「いないらしいけど。
なに?
乙女、中倉君のこと好きになったの?」


ニヤニヤしながらお姉ちゃんが聞いてきた。


「そんなわけないでしょっ!!(汗)」


焦りながら私が否定するとお姉ちゃんは笑いながら


「乙女に限って一目惚れはないか!」


「そうだよっ。」


私はそう言ってお米を頬張った。