靴をはいて外に出ると桜がお見送り。


ふと頭に浮かんだのは中倉先輩で…


この桜も散ってしまうんだよね…


そう思うと心のどこかがギュッと締め付けられた気がした。


「乙女。」


「隆太…。」


玄関のドアの前にたっていた隆太。


「まさかだけど俺の存在に気付かなかったとかはねーよな?」


「気付かなかったけど。」


「ったく。
俺の家来るの忘れてたとは言わせねーぞ?」


隆太は立ちながらそう言った。


「忘れてた。
しかも、行くなんて言ってないし。」


「お前なぁ…」


隆太は大きなため息をついた。


「忘れてたからこなきゃダメな。」


「やだよっ。」


拒否する私。


「なんで?」


「だって、私が隆太の家に行く意味なんてわかんない。」


「友達だから。」


隆太はそう言うと私の手をひいて歩きだした。


こんなところ中倉先輩に見られたら!!(汗)


「隆太、行くから手離してっ。」


「あっワリィ。」


パッと離れた手。

私は隆太の家に行くことになった。