「お疲れさまでしたー。」


先輩方に挨拶すると一年生も帰る支度を始めた。


「おとちゃんばいばーい♪」


「ばいばい!」


京ちゃんは走って帰ってしまった。


私はグランドを抜けた。


「一人で帰るのつまんないなぁ。」


「じゃあ、一緒にかえろうぜ。」


前を見るとそこには隆太の姿があった。


「なんでいるの?」


「いちゃ悪いかよ。
乙女一人だろ?
一緒に帰ろ?」


私は少し戸惑った。


でも、一人で帰るの怖いしつまんないし。


「いいよ。」


「まじ!?
よし、帰ろう。」


私たちは校門をくぐった。


外はもう暗くて肌寒いかった。


後ろから自転車のベルの音が聞こえた。


「野山ー。」


ドキン


私の心臓が跳ね上がる。



中倉先輩だ…


「中倉さん。」


「彼女と帰るなんて羨ましいやつだなー。
きぃつけてかえれよー。
じゃあな。」


そう言って行ってしまった。


外暗くてよかった。


別に先輩とは何の関わりもないのに見られちゃ嫌だって思う私がいる。


「隆太、なか…あの先輩と仲いいの?」


「あぁ、先輩の中で一番親しいかな。」


私は隆太を羨ましく思った。