「柚、どうしたの?」



お母さんの不思議そうな声が耳に響いてきて、ふと現実に戻る。



……やってしまった!!

つい考えすぎて、大きな音を出して立ち上がっちゃった!!


お父さんとお母さんは、あたしに視線を向けているし、

先生は、相変わらずあたしの方を見てくれないし。



先生、なんであたしのことを見てくれないの?


あたしは、こんなにも先生のことが好きで、好きで、好きすぎて、心が痛いのに。



先生、あたし、やっぱり……。




「先生!ちょっと来てください!お勉強教えてくれるんですよね?」



「おい……!!」




ちょうど食事が終わった先生の腕を掴み、ポカンとしている両親を置いて、あたしの部屋へと向かった。




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