二人並んで学校を出ると、綺麗な夕焼けがあたり一面に広がっていた。
今日はいつもより早く帰れたから、晩ご飯作れそうだな。
いつもお母さんに任せっきりだったから、今日くらいはご飯作りたいな!
「柚はさ、ちゃんと復習してるんだな。ちゃんと内容を覚えてくれていて、俺的には教えがいがある」
「え……!ま、まあね!!」
突然池谷くんの口からそんな言葉が発せられたものだから、あたしは慌てて答えてしまった。
……実は、池谷くんは、あたしが先生にも勉強を教えてもらっていることを知らない。
先生と同居していることは、授業中にクラスメイトに大声で報告したから、知っているとは思うんだけど……。
せっかく自分の勉強時間を削ってまで、あたしに教えてくれているのに、そんなこと気まずくて言えない。
いつかはちゃんと言わないと、って思うんだけど。
考えれば考えるほど気まずくなっていく気がして、咄嗟に話題を変えることにした。
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