そんな気持ちを胸にしまいつつ、勉強に取り組むこと約二時間。
キリのいい問題まで終わったことから、今日の勉強会は終わりということになった。
問題集とペンケースを通学カバンの中に入れながら、池谷くんに話しかける。
「池谷くん、本当に毎日ありがとう!」
「ま、別にこれくらい大したことないけど」
「でも、池谷くんもテスト勉強あるから大変でしょ?」
「俺は柚に心配してもらわなくても大丈夫だから」
相変わらずクールな池谷くんだけど、こうやって一緒に過ごす時間が多くなると、笑顔を見せることが増えた。
顔をクシャっとして笑う池谷くんは、普通にイケメンだと思う。
ただ、こんなに放課後に池谷くんをお借りして、彼女さんにも申し訳ないな、と思ったりもしているもの事実。
……ほんと、早く留年の危機を脱して、池谷くん離れしないとな。
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