「麻衣ぃ~?」


不安げに私を見上げる陸を見たら、涙が溢れてきた。


「麻衣、どないしたんや?」


知らない…こんな太一さん。


「太一さんのバカァー!!」


泣きながら陸を抱っこして、リビングを走って家を出た。


「ちょ…麻衣?」


太一さんの呼ぶ声を振り切って、二世帯だけど隣の実家に行った。



バタァ~ン!



「ちょっと麻衣、ドアは静かに閉めなさい…って麻衣どうした?」


リビングのソファーに座ってテレビを見ていたお父さんが、振り返って、ただならぬ様子の私達を見た。