ようやく愛梨と一緒に学校を後にした。

「まだ空明るいな(笑)」

「今日位ゆっくりしなよ!」

何だか、こんなのんびりした時間、いいな。

そんなことを思っていた時だった。




「あの……この辺りで、財布みなかったですか?」

「え?」

声を掛けられて、振り返ると一人のお婆さんが困った顔で立っていた。

「すいません……みてないです。財布落とされたんですか?」

愛梨がお婆さんに尋ねる。

「えぇ……。困ったわ、どうしましょう?」

「あの、とりあえず交番に届けましょう?僕たちついていきますから。」