『話がある』と言われて、屋上に連れて行かれた。お互いの顔がよく見えるように、向かい合って立つ。 「な‥んか用事ですか、夏貴くん?」 「夏貴くん」と呼ぶあたしに、 悲しそうな顔を見せた。 ‥いつもオレ様のナツが。 『夏貴くん、か』 はははっと笑うナツの目から、一滴の涙がこぼれ落ちた。 『オレのことキライ、か?』 いつになく真っ直ぐな目に 思わずそらしてしまう。