ワタシは気持ちを切り替えたくて別な話をした

「そんな力であのオヤジは何するつもりなんだろ?」

「流れを変えたいんだろ……
 このままじゃ、ヒトがいなくなちゃうから……」

「それでワタシにあんなこと……」

「それはわかんないけど。
 昔は、人がいなくなったら、ヒューマノイドで置き換えて、
 とかやってたけど、今はもっと露骨だからね。
 ナンかヘンだと思うことってあるでしょ?

たしかにまわりでいなくなってる人は最近いるうけど……

「景気が悪いせいだと思ってた……」

「景気ってナンだろうな。
 そもそも僕らは、そういうワケ分からないものに飲み込まれてるんだよ……」

――ステルスはちょっと悲しげに言う

ワタシはステルスが世の中のワケわかんない向う側じゃなく、ワタシと同じ側に立ってる気がしてうれしかった

ワタシはいつ切れるとも知れないビジネス街へ向かう人の波を見てた