ビチャビチャビチャビチャ。

ロースが吐いた胃の内容物は床に落ち、跳ね返った勢いで店長の靴に直撃した。

店長の靴には、アカネたんのシールが張ってあった。アカネたんはゲロまみれだ。


「ア、アカネたーん!! 貴様、許すまじ! 俺にゲロをかけるだけならともか……すっぱい!!」


「す、すいません。ついステーキ見ちゃいました。すぐにお口直ししますんで」


 ゴクゴクゴクゴク。

ロースは腰に巻いた牛乳ホルダーから瓶を1本取り出し、左手を腰に当て、グイっと一気飲みした。

ゴクゴクゴクゴク。

飲み終わった瓶はすぐ元の位置に戻す。これでお口直しは完了だ。

ゴシゴシゴシゴシ。


「おいちょっと、待て待て。お口直しってなんだよ! なんか使い方おかしいしな! 普通、吐いた後お口直しに牛乳飲まないだろうよ。そんで、その牛乳どっから取り出したんだよ」