「なんでって、想像だろうよ。実際にはそんな宝くじなんか当たらねえけどな」


「すいません、当たらないから創造したんですか?」


「なんだそれ、偽造したみたいな意味か? わけわかんないこと言ってんじゃねえよ。いいから、働いていけ」


「すいません、というわけで僕をクビにしてください」


「どういうわけで!? 昨日クビにしないでくれって言ってきたのは誰だよ」


「すいません、わかりません」


「そこはわかっとけよ! おまえだろ、おまえ!」


「ちょっとちょっと、テンチョー店長。ハンバーグできたよォ。アハハ」


 モテぬ男が興奮する店長の背中に声をかけた。

店長が振り向くと、モテぬ男が厨房の中から、ホールと繋がるカウンターに顔を出していた。

ハンバーグを掲げながらウインクしている。

シクシクシクシク。

ロースが突然泣き出した。