3年前
某日某時刻
ロースの部屋


 当時大学4年生だったロースは、そのとき付き合っていた彼女と布団の上でお医者さんごっこをしていた。

いかがわしい意味ではなく、真剣なお医者さんごっこだ。

彼女は医大に通っている、医者のタマゴだった。

ロースは経済学部に通っている、なにかのタマゴだった。


彼女「ちょっとロース、次はお医者さん役、私にもやらせてよ。ずるいよ、ロースばっかり」


ロース「君にはまだお医者さん役は早いよ。内科の患者役で十分だ。さ、もう一度上着を脱ぎなさい」


彼女「やだ。ロースが脱げ!」


 ペローン。

彼女は強引にロースの着ていたTシャツを剥ぎ取った。

すると、現れたのは貧弱色白の今にも死にそうな体だった。


彼女「うわっ、気持ち悪っ」


 ドン引きした彼女は、そのまま帰り、二度とロースの前に姿を現すことはなかった。

彼女の最後の言葉を聞いた瞬間、ロースは思ったのだ。

そうだ、プロテインを飲もう、と。めでたしめでたし。