「ちょっとちょっと、テンチョー店長。モテないんじゃなくて、みんな恥ずかしがって話しかけられないだけなんだよォ。アハハ」


「もういいよ、おまえ黙っとけ! 俺はいつまでもおまえらの相手してられるほどヒマじゃねえんだよ。これからアカネたんの新作フィギュアに着色しなきゃいけねえんだからよ」


「すいません、そのモウいいよっていうのは……」


「だから学習能力ゼロか! ややこしくなるから会話に入ってくんじゃねえよ!」


「ちょっとちょっと、テンチョー店長。そこで牛乳飲んでるのが、新人のロースくんかァい? アハハ」


 ロースは立ち上がり、牛乳ホルダーから2本目のビンを取り出して、腰に手を当てて飲んでいた。

ゴクゴクゴクゴク。プハァ。

牛乳を一気飲みしたロースの鼻の下には、白いヒゲ、いや、「そうだよ、僕がロースだよ」という文字が浮き上がっていた。


「おまえまだ牛乳持って……って気持ち悪っ! なんで鼻の下に文字浮き出てんだよ!」