祖母に
『念のため』
と持たされた地図も
汗ばみがちな手の中に
ちゃんと握られているし。






鞄の中には
「絶対必要ないって」

鼻で笑って突き返そうとした
市内用の地図まで
しっかり押し込められている。








「バカにしちゃってさ…」









少々ふてくされ気味の
くららだったが…。






市内用の地図は
そこそこ役に立った。