手すりにしがみついたままの両手を
プルプル震わせ



緋月は
静かに
怒りの言葉を発した。








『こっちこそ
ちょっとすいません。
話聞いてます?』








「1年A組って
どこですか?」








『…どこ…?
普通に教室行けば
いいじゃないですか。
っていうか
ちょっと離してもらえません?』








「だから。
どこの教室ですか?」








『だから。
A組の教室でしょ。
っていうか
ちょっと離してもらえません?

このセリフ2度目だからね
言っとくけど』








「すいませんが
案内してください」








『すいませんが
手を離してください。
そして
とっとと目の前から
消えてください。

この疫病神女!!』