「ほげー……」









アホ面を引っ提げていた
くららだったが



すぐに気を取り直し…






「せっかくのチャンスを
逃してなるものか!」







自慢の駿足をフル稼働させ
必死に追いついた。






救世主クンの肩から
やや
ずり落ち気味になっている
カバンの持ち手が



くららの目の前で
うざったいくらいに
ひらひら揺れ動いている。






くららは
揺らめく
“蜘蛛の糸”



……ではなく



“カバンの持ち手”

すがる思いで
むんずと掴みかかった。