『えーとですねぇ…

山で遭難した時はですねぇ
その場から動かないってのが
得策なんですよ。



助け求めて
うろついてたら
そのままバッタリ倒れちゃう



…っていうか



ポックリ逝っちゃう



…っていうか



ホント
危険なワケですよ。



じっと救助を待つことが
生き残るための術(すべ)
ってやつですわ』








確か…






そう!



山岳救助隊員・岡本さんの
コメントだった。



まるで
自分への
メッセージではないかと
感銘し



あの日からずっと
心に深く刻んでいた…。





「ありがとう
岡本さん…」





一面識もない
赤の他人・岡本さんの教えを胸に



くららは
早速その場で
待機することに決めた。