クルッと振りかえって,美和たちのところへ歩いて行く。




「よかったじゃん!」


「やったね~~!!!」


みんなの声を聞いて,一気に緊張が解けていく。

と同時に,さっきまでの夢のような出来事が現実だったんだと実感すると,涙が出そうになった。




「よかったね!」



さっきの先輩が笑顔で声をかけてくれた。



『本当にありがとうございました!!』




笑顔で答えると,美和たちに祝福を受けながら,教室に帰った。




夢のようなフワフワした空気に包まれながら,ケータイのアドレス帳を開く。

一番後ろに
“眞辺 喬哉”
の文字が表示されていた。





ワクワクしながらメールを打っていく。



学年を打つとき,一瞬迷った。

先輩は高校生。
私は中学生。

先輩にとって、特別な存在になんかなれるわけないのは分かってる。今の時点で、私はたくさんの女の子の中のひとり。


先輩に、せめて後輩としてでも覚えてもらいたい。気に入ってもらいたい。

そんな思いを込めて、送信ボタンを押した。