劇が始まる。
みんなカッコいい先輩ばっかりなのかも……

みんなキャーキャー騒いでるし。

私は、あまり興味がない劇を仕方なく見ていた。





その時、

私の目に一人の先輩がとまった。



筋のとおった高い鼻

黒くて真っ直ぐな瞳

ワックスで丁寧に整えられた髪の毛

こんがりとやけた肌

凛とした横顔。




一目惚れ………だった。



一目惚れなんて、漫画の世界だけだと思ってた。

パッと見ただけで胸キュン…みたいな、少女漫画のような話なんてないと思ってた。




でも私はこの時


決して手が届くことはない、遠い遠い存在に………
名前も知らない先輩に………



恋をした。