「さぁ、車に乗って。早速家に案内するよ」

そう言うて車のドアを開けてくれた。

…様になっとる!
この際、オッサンでも…

………………。

あかん!!
やっぱあかんわ!!!

しっかりしぃや、鈴!!

あの人はあかんで!
結婚してそうやもん!!
不倫になってまう!!
最後に泣くはめになってまう!

昼ドラなみのドロドロや!!

ドロドロは嫌やろ?鈴!!

目を覚ますんや!!


ふぅ~。
危ないわ~…

響が変な奴を見る目でウチを見とる…

ヤメテ!
その視線は痛い!!

「…なにしとるん?鈴。…変な顔しとるで?」

「変な顔やて!?変な顔はそっちやろ!!
今ウチは、甘い罠と闘っとったんや!
接戦やったわ…。
あのオッサンなかなかやりおるもん。
でも鈴ちゃんは勝ったんや!!」

せや!ウチは勝ったんや!!

響にガッツポーズをしてみせる。

「なんやとッ!この恋愛ハンターに向かって変な顔やて!?
ちゅーか何と闘っとったんや!?オッサンって誰やねん!!」

「オッサンはオッサンや!!」

「せやから誰やねん!!」

「…あのぉ、もぉそろそろいいかな?ι」

いい加減、オッサンが聞いてくる。

「「…ハァ。すんません」」