「…ハァ。ホンマに来てもうたな、東京」

…珍しい。
響がため息をついとる!!

ってウチもため息つきたいわぁ…。

「「…ハァ」」

「とりあえず、ここでオヤジの親友さんを待っとればええんやな?」

そう響が聞いてくるから、ウチはオヤジが書いた地図を取り出した。

「そうやと思うで。オヤジの下手な地図にそう書いてあるし」

ウチらは今、駅の前でオヤジの親友とやらを待っとる。

そいつが家まで送ってくれるらしい。

ついでに学校の事を説明したいんやと。

どぉでもええわー
鈴ちゃんは疲れたぁー!!

電車はしばらく乗らん!!

そんなことを思いよったら、黒い車がウチと響の前に止まった。

「やぁ。君達が直也の子供かい?」

そう言って車から出てきたんは…
オヤジの親友かッ!?って位格好ええオッサンやった。

あっ、直也はウチのオヤジの名前や!
それは、どうでもええか!!

そのオッサンは、髪は黒うて、サラサラしとる。
目は鋭い感じの黒目やけど、笑っとるから優しそうにみえるわ。

ホンマに格好ええ!!

…でもまぁ、格好よくたってオッサンはオッサンや。

鈴ちゃんの好みじゃありませーん!