Side:響


なんやアイツ。
頭がしがししよるし足バタバタさしよる。

……ボール当たってホンマ頭イカれたんか?ι

せやけど志穂ちゃんは笑とるな。
ならええか。



「東堂、元気になって良かったな」

「アカン。アイツ頭打ってイカれてん。家でんあぁやったら俺がイカれてまうわ」

亮は笑うとった。
俺が憎まれ口言うてん、それが俺なりの安心の仕方やて分かったからやろな。



「鈴さん、どうなさったんですか?」

「∑おぉ!!」

「?…何か」

「いやι」



高橋さんが無表情で話しかけてきた。
俺この人むっちゃ苦手やねんι
美人やけど絡みづらいし、絡みづらいし絡みづらいからな。


……絡みづらいだけやんけ俺!!


「あ、あぁ~アイツ、ボールで頭打っただけや。元気かは、アイツ見ればわかるやろ?」

高橋さんはジッと鈴を見ると側に居る奴しか解らんくらいに、ホッと息を吐いた。