side:鈴

……たっくんがウチを保健室までお姫様抱っこで運んでくれた…。

何で覚えてないんやッ!!

くっそー!!

「何で覚えてないって、鈴、気を失ってたじゃないι覚えてなくて当たり前よ」

「…志穂っていつから人の心が読めるようになったん?」

「…鈴、口に出してたよι」

と志穂は肩を落としながら呆れたように言うた。

「全部?」

「全部」

「最初から?」

「最初から」

志穂のその言葉を聞いて隣りを見る。

「………ハァ」

だぁーー!!!
全部たっくんに聞かれとったぁー!!!!

「鈴ι落ち着いて!」

両手で頭をがしがし。
両足で下をバタバタ。

志穂がなだめてくるけど、恥ずかしいねん!!!

全部たっくんに聞かれとったんやで!??

「………うるさい」

「…ハイ」

たっくんのこの一言で暴れるの止めました。

「…単純ねι」

と志穂が呟いたのもちゃーんと聞こえてました。

地獄耳だもんね!!