side:響

いやぁ~気持ちええ朝やなぁ!!

…せやのに、俺の隣りにおる鈴ちゃんの顔が……

…ごっつ怖いッ!!!

この子、朝わ弱いからなぁ~。

…なんて言うてられへんわ!!!

学校に登校しよる生徒達がごっつ怖がっとる!!

あっ!!今俺らは学校の前におるで!!

朝早ようから大変やったわ…。

寝起きの悪い鈴ちゃん起こして、朝飯作って…。

ってそないな事はええんやった!!

「…鈴ちゃん、顔が怖いで」

「……アァ゛?」

…ヤンキーがおる。

「とっ、とりあえず職員室行くで!!」

そう言うて俺は、まだヤンキーの顔しとる鈴を引っ張って、校門をくぐった。

“紅葉学園”の。

―――…

ムダに広すぎや!!この学園!!

もぅかれこれ15分歩いとる。

迷ってもうたやんけ!!

職員室はどこや!?

職員室を求めて三千里や!!

「…なぁ、響。1つ聞いてええか?」

「あぁ。なんや?」

「…お前、迷ったやろ?」

「…………ι」

「…ウチが朝嫌いなん、知っとるよな?
そんなウチを引っ張り回して、迷っただぁ!?
…………………こんの、どアホォー―!!!!」

ヒィッ!!朝の鈴ちゃんわ嫌いや!!

怖すぎや!!

あまりの怖さに俺は肩が縮まってもうた。

……ビクッと。