相沢さんの後ろについて行き、エレベーターに乗る。

「…はぁ。エレベーターも立派やなぁ」

エレベーターに乗ったとたん、響が呟いた。

「…せやなぁ」

いつもならバカにする響の呟きにもウチは真面目に返す。

だって凄いんやもん!!

鏡がおっきいんやで!?

そしてエレベーターは目的の5階についた。

「ここだよ。512号室。鍵を取っ手の部分にある機械に当てて」

響が言われた通りにカードを当てる。

“ガチャン”

鍵が開き響が扉を開く。

「「…広いなぁ」」

これが初めて入った、これから住む我が家の感想やった。

「気に入ってくれたかい?この階は僕が買ったから気兼ねなく住んでくれ」

「「この階を買ったぁ!!!?」」

「そうだよ。さぁあっちのソファーに座って。明日からの学校生活について話をするから」

…相沢さん、金持ちなんやね。
そういや、学校の理事長しとんやったわ。

なんか驚いてばっかりや。
多分、響もやろな。

つーか、ソファーでかッ!!

ツッコミ疲れしながらソファーに座る。

「よし!じゃあ学校の説明するね。」

それからたぁーくさん説明を聞いた。

学校はこっから歩いて十分位で着くらしい。

学食と売店があり使うのは自由や。

あとは細かい説明がいっぱいで、言うのが面倒くさいから省くわ!!

「じゃあ、明日から学校頑張って!」

そう言うて相沢さんは帰っていった。

「よ~し!!明日から学校や!!頑張るで!!
…の前に、ご飯作ってや、響。」

「何でやねん!!」

「だってウチ、作れへんもん!!」

「開き直るな!!」

こうして転校前夜は過ぎていった。