「そうそう、夏川さん。天草くんの治療お願い出来るかしら?」




…はいぃ?!




ニコッと微笑んだ先生に悪意は見られないけど…




不安そうな表情を浮かべて、思わず首を横に振った。




「あたしっ無理…」




「大丈夫よ。ケガって言っても消毒すれば治るから」




そういう問題じゃないんですけど…




初めて会った人に…しかもあんな暴力シーン見た後に?!




あたしは先生より先に帰ろうとした。




このままだったら、大変な事になっちゃう……




すると生徒は体調を崩したのか、あたしが立ち上がるとバタンと横になって倒れてしまった。




「出血で頭が回らなくなっちゃったかな…お願い、夏川さん。治療してあげて」




そんな、これ以上鬼畜になんてなれないよぉ…




放っておくのも考えられないし…もぉ。