それからは少しずつお互いの話をして、だんだんと仲が深まった気がした。
血のついた悠里くんの上着を水と洗剤で手洗いして、保健室に干した。
「わりぃ、面倒かけまくって」
「大丈夫ですっ…けどもう暴れないでください」
しゅんとあたしは俯くと、悠里くんは黙り込んでしまった。
気、悪くさせちゃったかな?
今日会ったばかりの人に言われても良い気はしないと思うけど…悠里くんはそんな悪い人には見えないんだもん。
自分の上着を羽織ったあたしは、先生がよく使うパイプ椅子に座った。
「俺はいつも優しいヤツじゃねーよ」
「怖くても、冷たくても悠里くんはダメです」
念押しにあたしは言うと、悠里くんはツンと冷たい表情に戻った。
いつの間にか二人きりになるのが緊張しなくなって行って、自然な気持ちになる。
悠里くんの為にあたしは言ってるの。
もうあんな事しないでほしい……