「はいっ出来ました!」




数分後、どのキズも消毒して完璧に治療が終わった。




さっきのドキドキは嘘のように、普通に彼の肌を触ってるあたし。




彼も口元を鏡で見ていた。




「へぇー、ちゃんと出来たのか」




「その言い方…ちょっとイラッと…」




「あ?何?」




彼の言葉に即行口を塞いだ。




もうこれ以上ケガはしてほしくない、それと、もうこれ以上問題を起こさないでほしい。




保健の先生だって、『次は退学処分か少年院』って言ってたし…




どれくらい問題を起こしてきたのか知らないけど、今度は本当に危なそう。




不安を浮かべていると、彼は不思議な目であたしを見ながら何も言わず頭をポンポンと二回優しく叩いてくれた。




「へ?」




「消毒のお礼」