すぐに彼の顔を見ると、彼はあたしを見ながら不機嫌そうな表情を見せている。




や…怒ってるよね?確実に……




「ごめんなさいっ!けど制服に血が…」




「意識のない内にヤッてしまおうと?」




「ヤッ?!そ、そんな事ないです!!」




何でこんなケガしてる時に普通にそんな台詞…有り得ないっ!




抵抗すると、掴まれていた手をパッと解放されて身体を起き上がらせた。




ほんのり残る手を握られていた体温…




あたしは顔をボッと赤くさせた。




「照れてんの?へぇー…」




「照れてません!!!」




必死に否定するあたしだけど、彼の顔を直視出来ない。




こんなに男の子が近くにいる事なんて初めてだったから、無償に心臓が痛くなる。