「はぁ………まぁ。」

「お前、弟はもう……」



どうやら、崎先生はあたしが佐伯君と付き合ってると勘違いしてるみたい。



「先生、あたしね。景君がまだ大好きだよ。
ナデシコが先生を好きなように、ツバキが立宮先生を好きなように。
でも…景君はきっと、先生がナデシコを好きなように、立宮先生がツバキを好きなように…あたしを好きじゃないんだよ。」



「それは……っ」



崎先生の言葉が止まった。

驚いたようにあたしを見下ろす崎先生。

その瞬間。



あたしが自分の涙に気付いた瞬間、ナデシコがあたしを抱きしめていた。