朝───



立宮君が校門に立っているのを見た。

そこには、1年生の男女もいて、立宮君は何かを話していた。



話し終えたのか、1年生の男女と立宮君は逆方向へ進んでいく。





「立宮景君!」



呼び止めたあたしの声は、震えていた。



でも、立宮君はいつも通りのわざとらしい笑顔───





名前を呼んで?



そう言われたから、

「景君……」

初めて名前を呼んだ。



そうしたら、わざとらしくない笑顔がそこにあって

あたしはまた、あなたに恋をしてしまった……