「立宮が寂しそうなんだ。」
「へっ?」
ツバキは顔をあたしから背ける。
でも、耳まで赤いから、どんな表情かすぐにわかるよ?
「立宮が、あたしといるときも、弟の心配をするんだ。
あいつにとって、今一番に大事なのは弟で、あたしじゃなくて、寂しいのは弟がグレてるからで、あたしがそばにいないからじゃないんだ………」
ぼそぼそと、だんだん声が擦れるくらいに小さくなっていくツバキの声が、あたしをどれだけ安心させたか。
ツバキには申し訳ないけどね
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