「立宮弟」



だいたいの人が彼をそう呼んでいた。



あたしはそれさえも許せなかった。



もし、立宮君と話す機会があったら、ちゃんとあたしの言葉で

「立宮君」

と呼ぼう。



決して、お兄さんである立宮先生と比較するような呼び方なんかしない。

そう決めた。