「風呂が広いってのはいいもんだなぁ!!」

「あぁ。」

結局一緒に入るはめになってしまった。

「水奈は俺のものだ!!」

「なんだよ、いきなり。」

「あんな女は他にいないよ。最高だよ!!」

「はいはい。」

「学校でも水奈はモテるだろ?」

「まぁ。」

「だろうな。あいつを放っておく男はいないだろ。」

「あぁ。」

「とられないように見張っといてくれよ!!水奈のこと!!」

「はっ?俺が?」

「他に誰がいるんだよ!!」

「自分で見張れよ!!」

「そうしたいけど、俺は学生じゃないから無理なんだよ。俺が水奈と同い年だったらなぁ!!」

「そんなに好きなんだ。」

「もちろん!!好きを通り越して愛してる!!」

「なんか寒気してきた…。」

「冷めてきたのかな、わかし直すか!!」

「父さんキモすぎ。」

「なぁ、弘樹。」

「んっ?」

「水奈のこと、戸惑ってるか?」

「へっ?」

「水奈がいきなり母さんになるって聞いて。」

「まぁ、正直、戸惑ったかな。でも、今は落ち着いてきたっていうか、年が近いからまだ母親って思えないけど、家族だって思ってるよ。水奈さんのこと。」

「そうか。本当言うと、俺、話すのが怖かったんだ。音葉が懐かなかったらどうしようかとか、弘樹に迷惑かけるんじゃないかとか。でも、良かった。」

父さんとの風呂は長すぎて、のぼせたけれど、久しぶりに本音で話した気がした。