「それで、その翌日に学校に行ったら、みんなが泣きながら駆け寄ってきたんです。『琴音、ごめんね、ごめんね』って・・・」

思い出したのか、琴音は少し声を詰まらせた。

聞いていたホスト達の中にも、そっと目を拭う姿があった。


「だから、卒業できたんだね。正直『辞めたい』って思ったこともあったんじゃない?」
「・・・そう、ですね。でも、友達がいたから乗りきれたんだと思ってます」


「そういえば、昨日は何であんなところで・・・」
「ええ、昨日は、アルバイトできる所を探してたんです。ただ、この顔のせいで、どこも取り合って頂けなくて・・・気がついたら、朝から何も食べてなかったんです」



悠治は、無言でしばらく考えていた。



ホストと言えど、悠治に、琴音の心の苦しみが分からない筈はない。

何とか、琴音の生活を楽にしてやりたい。
その一心で、悠治は考えを巡らせた。