「あっ、悠治さん。みんな来てますよ」
「あぁ、竜哉。朝から悪いな」


悠治が店内に入ると、全員の視線が、一斉に琴音に向けられた。
まだ心配なのか、不安げな表情が見える。
琴音は思わず、悠治の横で堅くなってしまった。

「大丈夫だよ、みんな優しいから。こっちだよ」

悠治は、近くのテーブルに琴音を座らせた。



「琴音ちゃん、色々と質問することになるけど、いいかい?」

琴音は黙ってうなずいた。
琴音は何処となく、悠治達なら信頼を寄せられる気がしていた。


「琴音ちゃん。まず、君をもう少し知っておきたいんだ。その布の下は、怪我か傷痕があるかもしれないだろうけど、それを知った上で話を聞きたいからさ」

「・・・分かりました」


琴音は、耳の辺りのテープに手を掛け、ゆっくりと布を剥がしていった。