真剣にみつめたまま彼は言った


「すきだよ


でもあの子が幻想なら


いままでの思い出も幻想だ


思い出してみろ」



たしかに須原さんにけんかになったり


武井に襲われたり


渋谷で告白されたり


思い出の散歩したり


あのときキスしたり


ほかにエピーソードなら書ききれないほどたくさんあった


たしかに思い出だ


「俺はみゆでもゆみでも 一人のお前として


愛してた」



そのときわたしは心がはじけた



そう


もう


無理なんだよ


わたしたちの思い出は



わたしと天使と彼がいたから


物語があるのだから