足にすがりついた相田を立ち上がらせ、部屋の中へといざなう。

「う、ひ、ぅく……ありがと、宮部さ……ありがと……」

「いいのよ。さ。中に入りましょ」

相田も、弓道部では期待の新人としてかわいがられているらしいが、体を竦めて嗚咽する姿は、とても見られたものではなかった。

自分で煽って、自分で鬱陶しくなる。人の精神をもてあそんだのだが、よくわかるから。

ゆいは、だから陰陽師と呼ばれるのが嫌いだった。