「ん、ぃよっしゃ。じゃあ、俺がちょっち行ってくっわ。思い立ったが吉日、だろ?」

どこへとは、わざわざ訊かない。

「アンタのは猪突猛進て言うのよ」

「へっ、どうとでも言いやがれ」

威勢よく笑い返した燈哉が、紙パックを手裏剣のように投げた。それは本当に手裏剣のように回転しながら飛び、見事に屋上出入り口上部、雨どいの隙間に挟まり刺さった。そこには、同じようにして投げ込まれただろう紙パックが、いくつも。

「アンタ、そういうことだけは上手いわよね。まあ、でなきゃ私の式神はやらせないけど」

「へいへい、お褒めの言葉、どーも」